2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
2度目の告白
次の日、私は、目覚めてすぐに時計を見た。
アラームは、まだ鳴らない。
温かいベッドの中、昨日のことがすぐに思い出された。


樹がお風呂から上がった後、2人でソファに並んで座り、色んな話をした。
アメリカにいた頃の話は特に興味があったから、ワクワクしながら耳を傾けた。


結局、私を抱きしめてくれたことには触れなかったけど、私の素顔を可愛いと褒めてくれた。


思い出すだけで、また心臓が高鳴る。
目を閉じると、樹の真剣な表情が浮かんできて、勝手に胸がキュンとする。


樹、もう起きてるかな……


私はゆっくりとベッドから出て、パジャマの乱れを直し、髪を手ぐしで整えてから洗面台に向かった。普段なら気にしないことも、ここでは自然にできた。


静かだな……


樹はまだ寝てるんだろう、起こさないように気をつけながら、フローリングをゆっくり歩いた。
< 185 / 264 >

この作品をシェア

pagetop