2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
ドアを開け、リビングに入ると、すでに部屋は暖かく、樹は起きていた。


「おはよう、柚葉」


樹の甘い声、朝からイケメン全開だ。


「お、おはよう。まだ寝てると思った。起きるの早くない?」


「俺、早起きだから。柚葉こそバイトまで時間あるからまだ寝てればいいのに。無理して早起きしなくていい」


「あ、うん。何だか早くに目が覚めちゃって……」


「そっか。これ、サンドイッチ作ってあるから好きな時間に食べて」


「サンドイッチ? 作ってくれたの?」


私を気遣う優しさがすごく嬉しい。


「そんな大したことないだろ。アメリカでは毎日作ってた」


毎日って……
私なんて、時間がない時はトーストを焼くだけとか、ヨーグルトだけとかもよくあった。


樹は、本当に何でもできるんだ……
イケメンで、英語ペラペラで、お金持ちで、オシャレで、料理も家事もできて……って、最強じゃない。


性格も、今は……悪くないし。
沙也加さんが好きになるのもよくわかった。
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