2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
「ご馳走さま。柚葉、無理しなくていい。でも、たまに……こんな美味しいの作ってくれたら、すごく嬉しい」


「うん。まだまだ勉強中なんだけど……美味しいものが作れるように挑戦するね」


苦手なことも、樹の励ましで頑張れる気がした。


食事が終わって、また2人でソファに座り、おしゃべりの時間が始まった。


樹がゆっくりと口を開く。
どんな言葉が飛び出すのか、ドキドキしてしまう。


「柊さ……今すごく仕事頑張ってる。必死な姿を見てたら、無理して体壊さないか心配になる」


「柊君……また頑張り過ぎてるんだね。体調大丈夫なのかな?」


「何度言っても、大丈夫だって言うから。あいつは、昔からそうなんだ」


柊君、私も体のことは心配だよ……
無理する柊君を、私は誰よりも知ってるから。


「柊のことは俺が見てる。だから心配しなくていい」


「うん……お願い」


「柚葉……」


「……?」


「俺、柚葉のこと、ずっと前から知ってた」


えっ? どういうこと?


「あの日、空港で会う前から、ずっとお前のこと知ってたんだ」
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