2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
私も、今夜は少しだけ頑張って、胸の下で切り返しになってるAラインのワンピースを着てみた。
色はベージュっぽいからちょっと地味かも知れないけど……


「その服、似合ってる」


「えっ、あ、ありがとう。バイトの前にマンションに探しに行ったんだけど、こんなのしかなくて、ドレスコード大丈夫かな?」


「問題ない。本当に似合ってるから。悪かったな、急に誘ってしまって……」


「ううん、嬉しいよ。フランス料理なんて、ほとんど食べたことなかったから、楽しみ」


今夜はフランス料理のレストランに連れていってくれるらしいけど、本当は、マナーが少し心配だった。正直、あまり詳しくなく、ナイフとフォークは外側から使う……くらいの知識しかなかった。


「オーナーが柊の知り合いなんだ。俺も紹介してもらってからたまに行ってた。日本に戻ってからは初めてだ。ずっと柚葉と行きたいと思ってた」
< 195 / 264 >

この作品をシェア

pagetop