2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
確かに……
樹の恋人になることに全く異論はなかった。
気づいたら、私は笑顔でうなづいていた。


自分の中で、柊君のことがスッキリしてるわけじゃない、それでも……


私は、樹が好き――


その気持ちには、素直になりたかった。


私達は、キス以上のことはしていない。
ただおでことおでこをくっつけたり、頬や髪を触ったり……。今は、それだけで充分だった。
これから、もっとたくさんあなたのことを教えてほしい。


たとえ顔が同じでも、中身は全然違う。
樹は、樹だ。
柊君とは……違う。
きっとあなたは私だけを好きでいてくれる。
不思議だけど、樹のことは、驚く程自然に深く信じることができた。


結婚のことはまだ何も決められないけど、でも……
ずっとずっとこの人の側にいたい――って、心が何度も叫んでいた。
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