2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
「……」


「お前が言ったみたいに、僕は病気なんだよな? 恋愛の病気。だから……僕は柚葉を幸せにできないんだよな。だったらさ……樹が柚葉を幸せにしてやって……」


柊……
寂しそうに笑う顔が切なくて苦しくなる。
俺を責めるわけではなく、柊は……自分を責めた。


「本当にすまない……」


「謝らなくていいよ」


柊は、いつだってそうだった。
子どもの時から、ずっと俺は柊に助けられてきた。なのに、こんな形で裏切って。


「柚葉と結婚は? しないの?」


柊が聞いた。


「俺は……すぐにでも柚葉と結婚したい。だけど、あいつの心にはまだお前がいる。忘れようと努力はしてるみたいだけど、でも、そんな簡単じゃないことはわかってるつもりだ。焦る気はない、ずっと待つ……」


「そっか。柚葉と結婚できるといいな、樹」


柊は、温かいお茶を飲んだ。
ニコニコしながら……
でも、俺にはわかるよ、柊もまだどうしようもなくつらいんだって――
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