2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
戸惑う心
樹とは、毎日楽しく生活してる。
おかげで、柊君への気持ちがだんだん薄れていくのがわかる。


ルームシェアを解消することなく、一緒に住むことを選んだ2人。


一応、私達は付き合ってる。
樹の彼女……なんだよね、私。


まだちょっと信じられないけど、毎日こうやって笑っていられたら、どんなに幸せだろうか……なんて思い始めてる。


「いらっしゃいませ」


バイト中、良介君の言葉に振り返り、私も「いらっしゃいませ」と言おうとした。


でも……言えなかった。
体が固まって声が出ない。


だって、その髪型は樹じゃない。


「柊君……?」


「柚葉、ごめんね、仕事中に。少し時間もらえないかな?」


「柚葉ちゃん、大丈夫?」


良介君は、柊君も樹も知らない。
私の態度を見て心配して言ってくれたんだ。


「あ……だ、大丈夫です。すみません、少しだけ外してもいいですか?」
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