2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
2人の絆
真奈にはああ言われたけど、私のことで余計な心配かけたくない。柊君には、仕事以外では、いつも笑っててほしいから。


穏やかな柊君の笑顔に、私は何度癒されたかわからない。あの笑顔を私のせいで曇らせたくはなかった。


そうだ――
もし佐藤君が来たら、部屋に鍵をかければいいだけ。相手にしなければ、きっと諦める。


大学時代、自由気ままに女の子と付き合って、好きなように遊んで、私は傷つけられた。そんな人だってわかってたら絶対に付き合ったりしなかった。
なのに今さら私に何を相談したいっていうの?


本当、勝手過ぎるよ……


嫌だ、さっきから佐藤君の怖い顔が思い出されて、体の震えが止まらない。
もし、すぐ横に柊君がいてくれたら……
そんな思いが頭をよぎる。


私、本当は柊君に頼りたい。
頼って、「怖い」って、自分の気持ちをちゃんと伝えたい。


大好きな人に守ってもらいたい――
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