2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
「柊には、柊の人生がある。あいつの人生には、俺がいたらダメなんだ。柚葉と一緒にいる俺を間近で見るのはキツいだろう。もし逆だったら、やっぱりつらい。本当なら、俺がそうなるはずだったから……わかるんだ」


「え……」


「もし柚葉と柊が結婚したら、俺は何も言わずずっと2人を見てただろう。でも、それは相当キツイはずだ。そんなこと、今の柊には耐えられないだろう」


樹さんの言葉に、すごく重みを感じた。


「それに、柊がもしまた柚葉に近づいたら……。柚葉は柊に戻ってしまうんじゃないかって……そんな不安も、正直あるんだ。情けないけど」


樹……
私が柊君に戻るなんて絶対無いのに。
でもそれくらい、私を想ってくれてることが嬉しい。


私、やっぱり樹が好き。
今、たまらなく樹の側にいたいって思える。
こんな気持ちになるなんて、出会った頃は全く想像もしてなかったのに……
あの最悪な出会いが、今は真逆の感情に変わっている。
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