2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
みんなと楽しく会話して、ある程度緊張がほぐれた時、教会での式が始まった。厳粛な雰囲気の中、夫婦になるための儀式が行われた。


指輪交換のあと、誓いのキス。
樹は、私のベールをゆっくり上げた。見つめあう私の目には涙が潤み、綺麗で優しい樹の瞳にキュンとした。


私達、本当に夫婦になるんだ――


ようやく実感が湧き上がってきて、私は本当にこんなに幸せでいいのかと思った。


樹みたいな素敵な人は、他には絶対にいない。
隣に立つ超イケメンの樹は、ブライダル雑誌に出てくるようなモデルみたいで、私にはもったいないくらいの王子様だ。


優しいキスが5秒間――
樹は、少し照れたように微笑んでる。


うん、間違いない。
この瞬間の私は、世界で1番幸せだ。
何度も何度も、しつこいくらいにそう思った。
< 233 / 264 >

この作品をシェア

pagetop