2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
本当にダメだな、私。
自分の気持ちをちゃんと言えないなんて……
どうしてこんな女を柊君は選んでくれたんだろう。


電話を切った瞬間、ふと、付き合い始めた頃のことが頭に浮かんだ。


~1月3日~
『柊君と付き合って1ヶ月が過ぎた。こうして日記をつけるようになってからもう1ヶ月。毎日、すごく幸せ。このままこの幸せがずっと続けばいいなって思う。今日、柊君が、柚葉の存在自体が俺の生き甲斐だって言ってくれて、本当にものすごく嬉しかった』


お正月の3日目、その日はかなり寒い日だった。
白い息を吐きながら、駅から柊君のマンションまで、2人でゆっくり歩道を歩いた。


分厚い手袋をはめた私の手を、柊君は優しく握ってくれた。それだけで自然に笑みがこぼれる。
何気ない幸せって、こういうことをいうんだろうなって思った。


『柚葉、付き合い出してから1ヶ月になるけど、僕と一緒にいて退屈じゃない?』
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