2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
番外編 佐藤君の災難
何をする訳でもなく、ただブラブラ歩く。
青いはずの空の色が、俺には暗いグレーに見えていた。
警察沙汰にまでなって、散々な人生。
いつの間にか、こんなに落ちぶれて……
俺を解雇したあのバカ会社のせいだ。
上司の奥さんと不倫したぐらいで。
あのクソ部長の奥さんが、俺を誘惑したんじゃないか。
それを、俺だけのせいにして。
腹いせにギャンブルして、借金。返済に困ってた時、柚葉の話をたまたま聞いてしまった。
あいつだけが玉の輿に乗って幸せになるなんて、なんか胸くそ悪い。
でも、俺の目論見は失敗に終わった。
強いと思ってた自分を、遥かに超えてきたあのイケメン野郎。
本当、こんな人生なんか、もう終わってもいい。
「お兄ちゃん、これ」
振り向くと小さなガキがいた。
幼稚園児か?
「何だよ」
「はい、これ、落としたよ」
俺の財布……
「あ、ああ」
青いはずの空の色が、俺には暗いグレーに見えていた。
警察沙汰にまでなって、散々な人生。
いつの間にか、こんなに落ちぶれて……
俺を解雇したあのバカ会社のせいだ。
上司の奥さんと不倫したぐらいで。
あのクソ部長の奥さんが、俺を誘惑したんじゃないか。
それを、俺だけのせいにして。
腹いせにギャンブルして、借金。返済に困ってた時、柚葉の話をたまたま聞いてしまった。
あいつだけが玉の輿に乗って幸せになるなんて、なんか胸くそ悪い。
でも、俺の目論見は失敗に終わった。
強いと思ってた自分を、遥かに超えてきたあのイケメン野郎。
本当、こんな人生なんか、もう終わってもいい。
「お兄ちゃん、これ」
振り向くと小さなガキがいた。
幼稚園児か?
「何だよ」
「はい、これ、落としたよ」
俺の財布……
「あ、ああ」