2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
「お兄ちゃん、カッコイイね! 強そうだし。僕もお兄ちゃんみたいになりたい! そしたら、ゆみちゃんに告白するんだ」


「ゆ、ゆみちゃん?」


「うん! 友達。僕……カッコよくないから、告白してもフラレるでしょ。だから、頑張ってカッコ良くなるんだ」


満面の笑みで俺を見る。


「頑張ったらカッコよくなれるのか?」


「なれるよ! ママが言ってたもん。お兄ちゃんも頑張ったからカッコいいんでしょ? 勉強とかスポーツとかたくさん」


頑張ってきたから……?


「俺……もっとカッコよくなれるか?」


「うん! お兄ちゃん、もうカッコイイけどね。でも、いっぱいいっぱい頑張ったら、もっともっとカッコ良くなれるよ!」


「そっか……だったら、どっちが早くカッコ良くなれるか……競走するか?」


「わーい! する、する! 負けないぞ。だって、ゆみちゃん、しょうたくんが好きだって言ってるから、早くカッコ良くなって告白しないとダメなんだ」


キラキラ目を輝かせてやがる。
こんな綺麗な目……
もうずっと長いこと見たことなかった。
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