2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
「そっちこそ、ホストに……ホストにハマってたじゃないか」


「それは、あなたに振り向いてもらうための嘘。ホスト通いなんて、私の性に合わない。そんなことも気づかなかったんだね。あなたは他の女の人にしか興味がない。だから私はあなたを試した。でも、結局、何も変わらなかった」


妻の顔は、死人のように暗かった。
初めて会った時は、こんな女じゃなかったのに。
綺麗で色っぽくて……
妻をこんな風にしたのは俺なのか?


俺のせいで明美は……


「今日、一緒にここで過ごしたら、もう離婚しましょう。結婚もしてないけど……。ケジメをつけたいから、離婚届も書いてきたわ」


悲しく微笑む妻。


「そ、そんなこと急に言うなよ」


「急なんかじゃないわ。ずっと考えてたこと。それをたまたま今、実行するだけ」


「いや、でも、そんなこと、お前は……」


「だからお前じゃないんだってば! もう……いい加減にして。私のたった1度しかない人生に、もうあなたは要らないの」


明美……
今さら名前で呼んでも、もう遅いのか?
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