2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
番外編 良介の覚悟と幸せ
柚葉ちゃんが元カレといろいろあって大変だった時に、実は俺にもある出来事が起こっていた。


逃げたくても逃げられない……


「ごめんね、お待たせ! 今日もお弁当作ってきたから食べてね。温かいよ」


「お客様……。何度もお話しした通り、こんなことされると困るんです」


「食べてくれないの? 私、一生懸命作ったんだよ?」


毎日、昼前になるとやってきて、お弁当を手渡して帰る女性。
年齢は……30歳くらいか?
俺のこと、自分の彼氏だとでも思っているのか?


ある日突然始まったお弁当攻撃に、本当に困っていた。
店長や真奈にも話し、店長からは注意してもらったけど、全くの無視。
真奈も、その客に、直接自分が彼女だと言ったことがあったけど、聞き入れてもらえなかった。


ある時、毎日通い続けるこの人のことが、なぜか気になりだした。
ただお弁当を渡して、他には何も言わずに帰っていく……


誰かに迷惑をかけるわけじゃない。
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