2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
番外編 柊の独り言
「柊、いい加減結婚してよ~」


「嫌だ。結婚はしないよ。最初にそう言ったよね?」


「でも~。私、柊のこと好きだもん」


「嬉しいよ、ありがとう。これからもよろしくね」


「またそうやって逃げる~」


「僕は逃げないよ。どこにも行かない。僕の居場所は……ここにしかないから」


「居場所? 居場所って、仕事のこと? いっつも仕事が恋人だなんて言って。そんなに仕事が大事なの?」


「大事だよ。仕事は大切な恋人。でも……」


「でも?」


「何でもないよ。君に言っても仕方ないから」


「もう~! 柊の意地悪!」


仕事以上に大切なもの。
それは、ただ1つ。


今でもずっと……君が好き。
夢にも出てくるくらいにね。


だけど、君の隣にいるのは、僕だけど……僕じゃない。
嬉しくもあり、切ない現実。


君のことを忘れることができないまま、このままきっと、慌ただしく月日は流れていくんだろう。


でも、僕は、もう大丈夫。
君のいない毎日でも、こうやってちゃんと笑えてるから。


「僕は幸せだよ」って、いつか必ず心から言える時がくる。


その時まで、歩みを止めず、ただ前を向いて進んでく。


君に出会えて、本当に良かった。


ありがとう……柚葉。


僕の大切な人。
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