2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
こんなに甘い言葉を並べられて、言われ慣れてない私は、いったいどんな顔をすればいいんだろ?
何も言えなくてモジモジして困ってる私の手を、柊君はまた、優しく握ってくれた。


黙ってゆっくりと歩道を歩く2人。
心に熱いものが流れこみ、涙が溢れる。泣いてることを必死に隠しても、柊君にはすぐに気づかれた。


『柚葉』


空いている右手で頬の雫を優しく拭い、さりげなく自然に、私のことをギュッと抱きしめた。


『柊君……?』


アスファルトの上、他には誰もいなかった。
私達はお互いの温もりに浸り、しばらく離れることができなかった。この胸の高鳴り、きっと、柊君に伝わっているだろう。


どうしようもないくらい無上の幸せを噛み締めながら、私は……


ずっとずっと、この人と一緒にいたい。
一生、寄り添って生きていたい。


そう、心から強く思った。
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