2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
「ふ、ふざけんな! お前らなんか、絶対すぐに別れることになる」


佐藤君は、苦し紛れの捨て台詞を残し、ドアを蹴り飛ばして出ていった。


「大丈夫か?」


目の前にいる優しい柊君を見たら、もう、ものすごく安心して……恥ずかしげもなく思いきり抱きついて泣いた。
柊君は、何も言わずに、そんな私を抱きしめてくれ、ずっと髪を撫でてくれた。


「どう? 少し落ち着いた?」


「柊君、ごめんなさい。まさか来てくれるなんて思ってなくて。ありがとう、柊君のおかげだよ。でも、どうして? 大切な仕事があったんじゃ……」


「柚葉が変な男に絡まれてたから心配だって、真奈ちゃんが連絡くれたんだよ。柚葉が社長には言いたくなさそうだったから……って」


「真奈が? 私、変な誤解されたくなかったし、心配もかけたくなくて。でも、結局、こんなに迷惑かけちゃって……柊君、本当にごめんなさい」
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