2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
「柚葉」
柊君が、コピー機と格闘中の私に声をかけてきた。
「どうしたの?」
「今度の会議の資料?」
「うん。用紙が詰まっちゃって、今直ったから」
「良かった。忙しいとこ悪いんだけど、今日、昼から空港に一緒に行ってくれない?」
会社から1時間くらいのところに空港はあるけど、いったい何の用事だろう?
「う、うん。いいけど、どうして?」
「樹が帰ってくるんだ」
樹……?
「前に話したことあったよね、僕の弟」
「あ、うん。弟さん、樹さんっていうんだ」
「ああ。樹にはずっとアメリカの支社に行ってもらってたんだけど、向こうもだいぶ落ち着いたからね。これからは日本で頑張ってもらおうと思ってる。あいつ、誰よりも仕事できるから」
凄腕の柊君が認めるくらいすごい人……
会ってみたいな、樹さんに。
柊君の弟なら、きっと優しくて素敵な人なんだろうな。想像が膨らんで勝手な樹さんを頭の中にイメージしてしまった。
柊君が、コピー機と格闘中の私に声をかけてきた。
「どうしたの?」
「今度の会議の資料?」
「うん。用紙が詰まっちゃって、今直ったから」
「良かった。忙しいとこ悪いんだけど、今日、昼から空港に一緒に行ってくれない?」
会社から1時間くらいのところに空港はあるけど、いったい何の用事だろう?
「う、うん。いいけど、どうして?」
「樹が帰ってくるんだ」
樹……?
「前に話したことあったよね、僕の弟」
「あ、うん。弟さん、樹さんっていうんだ」
「ああ。樹にはずっとアメリカの支社に行ってもらってたんだけど、向こうもだいぶ落ち着いたからね。これからは日本で頑張ってもらおうと思ってる。あいつ、誰よりも仕事できるから」
凄腕の柊君が認めるくらいすごい人……
会ってみたいな、樹さんに。
柊君の弟なら、きっと優しくて素敵な人なんだろうな。想像が膨らんで勝手な樹さんを頭の中にイメージしてしまった。