2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
そっか……
性格は違っても、この2人はお互いに認め合い、尊敬し合ってるんだ。


素敵だな、そういうの。
兄弟っていいな。


でも、やっぱり……樹さんは苦手だ。


「じゃあ、日本に戻っても樹にはバリバリ頑張ってもらわないとな」


「こき使うのだけは勘弁してくれ」


兄弟2人の自然な会話を聞きながら、私達は地下にある駐車場に到着した。
止めてあった車に樹さんの少ない荷物を乗せ、私達はそれぞれ前と後ろに乗り込んだ。
後部座席からの眺めは、まるで同じ人が運転席と助手席に乗ってるようで、かなり不思議な空間になっていた。おまけに、キラキラオーラも充満して、何ともいえずドキドキしてしまう。


「今日は、夜、3人で食事しよう。いいだろ? 樹」


「ああ、別に予定は無いよ」


「柚葉もいいよね?」


「あ、うん、大丈夫だよ」


「良かった。じゃあ、仕事が終わったら、柚葉と一緒に樹を迎えに行くから」


「わかった、待ってる」
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