2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
双子で見た目が同じ樹とは、子どもの頃から何をするにも一緒だった。
言い方が多少乱暴だったり、上手く自分を表現できなくて誤解されやすい樹だったけど、それでも、良く知る友達は、みんな樹を深く信頼していた。


樹は――誰よりも人を大事に思える男なんだ。
僕も、その優しさを子ども時代からずっとキャッチしてきたからこそ、大人になっても樹が大事で仕方ない。


少し親のような気持ちもあるのか?
両親とは離れて暮らしてるから、余計にそう思うのかも知れない。
そんな弟にアメリカに行ってもらうのは心配だったけど、どうしても樹の英語力と行動力に賭けてみたかった。
そして、思った通り、素晴らしい成果を上げて、会社のために尽力してくれた。


これからは、日本で一緒に仕事ができる。
そう思うと本当にワクワクして楽しみだった。


「樹。柚葉のこと、好きになってやってくれないか? 彼女は、本当に優しくて可愛い人だから、樹にも歓迎してもらいたいんだ」
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