2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
「実際、柚葉と付き合ってからも、他の女から告白されたんだろ?」


樹が、真顔で聞いた。


「それは……」


「まあ、柚葉は本当に幸せなやつだな。柊みたいな才能ある最高の男に、こんなに愛されてるんだから」


僕は微笑んで、またペットボトルに口をつけた。


これから先、柚葉と結婚して、会社も樹と一緒にもっともっと大きくして、世界で通用するようにしたい――
やりたいことは、まだまだたくさんあるんだ。


「柊。俺は、ずっとお前と一緒に仕事を頑張っていく。柚葉とも……ちゃんと幸せになれよ。応援してる」


「ああ。樹がいてくれて、本当に良かったよ。仕事で不安な時も、いつもお前が助けてくれた。たとえ遠くにいても、樹の的確なアドバイスはすごく有難かったよ。ありがとうな、これからも頼む」


「お互い様だ。俺も柊に助けられた。モデルも中途半端で、お前に声をかけてもらわなかったら……今頃どうなってたかわからない。俺の方こそ、ありがとう」


ちょっと気恥しかったけど、お互いに本音を伝え合えて良かった。久しぶりの2人だけの会話に、自然に頬が緩んだ。
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