2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】
「夜景楽しみ」


「そうだね。楽しもう」


私達は、手を繋いで車まで歩いていた。
その時、突然、柊君を呼ぶ声が聞こえた。


「柊!!」


その甲高い声につられ、2人同時に振り返った。


「やっぱり柊だ!」


手を大きく振りながら、こっちに駆け寄ってくる女性。


「こんなとこで何してるの?」


かなり派手めの女性が、息を切らしながら言った。


「……そっちは? ここで何を?」


淡々と、柊君が尋ねる。


「私は今から友達と食事に……って、この女、誰?」


この女!?
この人こそ、急に近づいてきて一体誰なの?


「また今度、連絡するから。今日はここで」


柊君はそう言って、さっさとこの場から立ち去ろうとした。


「ちょっと待ってよ、柊! 逃げないでよ!」


その派手な女性は、柊君の腕を掴んだ。


「まさか、この女と付き合ってるんじゃないでしょうね!? 私という彼女がありながら、まさか浮気? そんなことないよね?」
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