お前の隣は俺だけのもの。
タップしてメールを開く。

こんな時間に誰からのメールだろう。


差出人を確認する。

差出人の欄には、アルファベットが羅列していた。

見覚えのないメールアドレスだ。


恐る恐る内容を見る。

その瞬間、私は携帯を落としそうになってしまった。



『九条 碧の秘密を拡散しろ』



えっ……。

碧の秘密を……?


メールにはまだ続きがあった。



『タイムリミットは1週間。協力を願う』



なにこれ。

嫌がらせメール?

それにしてはリアルすぎるような気がする。

そもそも碧の秘密って……。

芸能人ってことは誰もが知っていると思うから、秘密といえるものは……。


“暴走族総長”


それ以外思いつかない。



「陽菜?」



碧の声にハッとする。



「大丈夫?」



碧が尋ねてくれるけど、このメールの内容は碧に話せない。

話したら、碧を悩ませてしまう気がするんだ。
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