お前の隣は俺だけのもの。
「みど、」



プルルッ!

私の言葉を遮ったのは携帯の着信音。


この着信音は私のだ……。

……メールだよね。


最近はメールを見ることが怖くなった。

脅迫メールなんて見たくない。


機械的な音が響き続ける。



「メールでしょ? 見ればいいじゃん」



碧はそういうけれど。

そう簡単にここで見られるものじゃないんだってば。



「もしかして男? だから俺の前で見ないの?」

「えっ?」



なにを言い出すかと思ったら。

男?

犯人は男か女かも分からないのに、鋭い目で私を見る碧。



「最近、メールをよく見ているよね? 俺に隠したいことでもあるの?」

「そういうことじゃ、」

「じゃあ、見ればいいじゃん」



碧になにかのスイッチが入ったのかもしれない。

なんだか、メールの相手にヤキモチを妬いているような。

そんな感じに聞こえる。


私は碧の言葉に降参した。

もうどうなってもいいや。

ここまで、碧にメールのことについて言われてしまったら、隠したいものも隠せなくなる。
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