お前の隣は俺だけのもの。
放課後。

マンションの部屋にて怜央と潤との4人で集まる。

碧と付き合うことになったと、2人に報告した。



「陽菜ちゃん、おめでとーっ」



怜央が私の頭を撫でようと手を伸ばしたけれど、それは碧によってさえぎられた。



「陽菜に触らないで」

「碧、ひどいなぁ」

「陽菜は俺のだから」



碧が怜央を睨んでいる。

恥ずかしいけれど、嬉しい。


『陽菜は俺の』


その言葉を噛み締めていると。

頭に温かいものが触れたと思ったら、わしゃわしゃと髪の毛をかき乱された。

なにごと!? と、思って後ろを見れば、潤が私の頭に手を乗せて立っていた。



「潤!?」

「岩倉、よかったな」

「あ、ありがと……」



潤も私に笑いかけてくれる。

私の碧への気持ちを、潤と怜央にちゃんと話したことはなかったけれど、2人は気づいていたのね……。

照れながらも、潤にお礼を言う。



「ちょっと、潤! 陽菜に触るなっ」



碧が飛んでくる。

体に衝撃がぶつかったと思えば、私は碧に抱きしめられていた。


目をパチクリさせている潤。

笑い出す怜央。

不機嫌な碧。
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