お前の隣は俺だけのもの。
「碧って、陽菜ちゃんと再会してから変わったよねぇ」



怜央の言葉に頷く潤。



「……そんなことないから」

「よく笑うようになったよね」

「……そんなことない」



そうなの?

と、私は碧の顔を見ようとするけれど、碧はそれを許さない。


でも。

怜央の言うことが本当だったら。

嬉しいな。

そう思う自分がいる。



「……ていうかさ。陽菜ちゃんは、大丈夫なの?」

「えっ?」



突然、怜央に話を振られてきょとん、とする私。


大丈夫って、なにが?


疑問を浮かべる私に怜央は苦笑する。



「碧と陽菜ちゃんが付き合っているかも、って噂が、俺のクラスまで届いていたよ?」

「付き合っているかも、じゃなくて、付き合っているんだよ」



碧……。

そこは突っ込むところじゃないと思う……。

碧って、実は天然なの?

怜央も少し呆れ顔だった。



「いや、噂の話をしているんだけど」

「あー……」



碧はセットされた髪の毛をかき乱しながら、私から離れてソファに座った。



「碧に彼女が出来たかもっていう噂で、俺のクラスは大騒ぎだったからね」



……怜央のクラスまで届いているのか。

私のクラスの人たちも騒いでいた気がする。

騒いでいるというか、視線が突き刺さるというか。

なんとなく、嫌な空気は感じていた。
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