お前の隣は俺だけのもの。
そう思っていると、碧にぐいっと手を引っ張られた。


危ない!

転ぶところだったよ!?


と、文句を言おうと碧を見ると、その先には。

……超高級そうなマンションの入り口があった。


芸能人の碧にはお似合いのマンションかもしれない。

私は一般庶民だから、このマンションにはふさわしくない。

と、いうことで、私は今から碧の家に案内されるんだ!

久しぶりの再会ってやつだよね!


マンションの中へどんどんと進んでいく碧に問いかける。



「再会を祝ってくれるの?」

「……陽菜ちゃんの新しい家に案内しているの」



私を引っ張るように歩く碧。

そんな碧に引っ張られながら、私は手紙の住所を確認する。



「えっ……」



このマンションで合っている。

パパとママは、ご丁寧に地図まで手紙に貼り付けてくれたから、バカな私でも分かる。


私、この高級マンションに住むの!?


驚きを隠せない私は、碧に引っ張られるようにエレベーターに乗った。

碧は迷いなく、最上階のボタンを押す。


これも……、合っている。

手紙には最上階の部屋って書かれていた。

何号室、とまでは書かれていない。

頭にハテナマークを浮かべる私。
< 13 / 154 >

この作品をシェア

pagetop