お前の隣は俺だけのもの。
「な、なんでしょうね! イタズラメールかもしれません!」



冷静を装うとする必死な凛ちゃん。

だけど。

隠しきれていない、動揺。



「……凛ちゃんだったんだ」

「な、なにがです!?」



私は自分の携帯の画面を見せる。

その画面には、脅迫メールが映っている。

サッと、顔を青くした凛ちゃん。



「凛ちゃんが、このメールを送り続けていたんでしょ?」

「それはっ、」



口を閉ざす凛ちゃん。

それは、『私がやりました』と言っているように見えた。


信じたくない。

こんなこと、信じたくない。

友達が、脅迫メールの犯人だったなんて。


信じたくないけど。

凛ちゃんを見れば、それが現実だった。


凛ちゃんは、大粒の涙をこぼし始めた。



「ごめんなさい……」



椅子から崩れ落ちた凛ちゃん。

私は凛ちゃんに問う。



「メールを送ってきた理由はなに?」

「それは……」



唇を噛み締めている凛ちゃん。

涙で顔がぐちゃぐちゃの凛ちゃん。

呼吸も乱れている凛ちゃん。


私は、そっと席を立って、崩れ落ちた凛ちゃんの肩に手を置いた。
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