お前の隣は俺だけのもの。
学校からの帰り道。

碧と手を繋いで歩く。



「碧? どこ行くの?」



碧が向かっているのは、マンションとは真逆の方向。

家に帰るんじゃないのかな。

碧はどこへ、私を連れて行きたいんだろう。



「……陽菜の家」

「えっ!?」

「これから、陽菜の家に行く」



いやいやっ。

そんな突然、家に行ったらパパとママがびっくりしちゃう。


そう伝えたけれど、碧は。



「もう、陽菜のお父さんとお母さんには連絡したから」

「えっ!」



なんでパパとママの連絡先を碧が持っているの!?

驚く私だけど、よく考えたら分かることだ。


転校初日。

私のところへパパとママから手紙が渡ったように、碧のところにも手紙が送られたんだ。

それは、連絡先を知っていても当然だよね。


でも。



「なんで、うちに行く必要があるの!?」

「……着いた」



緑に質問攻めしていると、いつの間にか実家に着いていた。

碧はインターフォンを躊躇いなく押す。
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