お前の隣は俺だけのもの。
「ちょっ! 碧!?」



ここ、私の家なんですけど!?

まるで、自分の家のように入って行くのは、やめてもらえませんか!?


部屋の中に入る碧を止めようと、私も追いかけると。

そこに広がっていたのは、生活感のある部屋。

ソファにはクッションが置いてある。

テーブルの上にはおしゃれなマグカップが置いてあって。

加湿器は通常運転をしていた。


今日から新しく人が住む部屋とは思えない。

まるで、誰かが現在進行形で住んでいるような……。



「碧」

「ん?」

「ここ、私の家だよね?」



碧は少し考えた様子のあと、にっこりと微笑んだ。



「陽菜ちゃんの家だよ?」

「だよねー! 手紙に書かれている住所と一緒だもんね!」



あはは、と笑う私。

碧も私の家の鍵まで持っているなんて、どんだけ私のことが好きなのよっ。

もう、可愛いんだからっ。


なんて、笑っていると。



「勘違いしないでね」



碧が、今まで聞いたことがないような、低い声で私に微笑みかける。
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