お前の隣は俺だけのもの。
「碧」



私は碧の前に立つ。

碧を見上げる私。



「私、龍虎の女総長として、碧を支えたい」

「えっ」

「守りたい。……ずっと」



少し背伸びをして、碧にキスをする。

驚く碧に、微笑む私。



「パパとママが大切にしてきた“龍虎”だもん。私も碧と一緒に大切にしたいし」



それに……。



「ダブル総長だった、パパとママが結婚できたなら。その……」

「ん?」



碧が意地悪い笑顔で私の顔を覗き込む。

久しぶりに見た意地悪い笑顔にときめいてしまう私も私だ。



「その。……私も碧のお嫁さんになれるかな、って」



その瞬間、碧の腕の中にすっぽりおさまる私。

ぎゅうっ、と私を抱きしめる碧にドキドキが止まらない。



「かわいすぎる。……それは反則」

「かわっ、!?」

「陽菜はかわいい。誰よりも」



私を抱きしめていた手を緩めた碧。

その手で私の両頬を包み込む。



「陽菜」

「……はい」

「お前の隣は俺だけのものだから」



それって。

私の彼氏は碧だけだよ、ってこと?

女総長になれるのは私だけだよ、ってこと?

それとも、私のことをお嫁さんにしてくれるってこと?


……どんな答えがきても、幸せだ。


涙がこぼれる。
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