お前の隣は俺だけのもの。
「連絡先、教えてあげたらどうかな? 怜央がかわいそうだよ?」



碧が怜央の味方をするなんて。

なんか腹立つ。

っていうか、2人は知り合いだったの?


頬を膨らましながら、碧と怜央を交互に睨んでいると。

頬にツンッと、なにかが当たった。

なんだ、と思って振り返ると、赤髪ヤンキーくんが人差し指を出していた。


……真顔で。



「潤が女の子に触れるなんて珍しいーっ」



怜央がニヤニヤと笑う。


今。

赤髪ヤンキーくんが、人差し指で私の頬をつついた、よね?

もしかして、仲間に入れて欲しかったとか?

寂しかったのかな?


……かわいいところもあるじゃないかっ!


そう思ったら、機嫌が直った私。



「ねぇねぇっ。名前、なんて言うの?」



怜央と友達になれる気はしないけれど、ヤンキーくんとなら友達になれそう!



「八神 潤、だ」

「じゅんじゅん、ね!」

「じゅん、は、1回でいい」



えー。

じゅんじゅん、って、かわいいと思ったんだけどな。

まあ、彼もお年頃の高校生だと思うので、潤、と呼ぶことにしよう。

その友達第1号の証が欲しい!
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