お前の隣は俺だけのもの。
「潤、連絡先教えて！」



……そう言ってから思った。

私、怜央の前では携帯持っていないことになっているんだった。



「陽菜ちゃん、携帯持っているじゃんーっ」

「やっ、これは……」


「岩倉。ほら、連絡先……」

「はいっ！　します！」



私は携帯を差し出して、潤と連絡先の交換を完了させた。

携帯に増える、潤の名前。

転校してきて、初めての友達！


嬉しいなぁ、と思って微笑んでいると。



「岩倉さん。僕とも交換しよ？」



碧が首をかしげて、お得意の瞳うるうる攻撃をしてくる。

そして、先ほども思ったが“岩倉さん”ってなんだ。

それは表向きの顔なのか。


……まあ、それはいいとして。

確かに、碧の連絡先は持っていない。

幼稚園の頃なんて、もちろん携帯なんて持っていないし。

昨日はバタバタしていて、連絡先なんて聞くことが出来なかった。


碧とは連絡先を交換したほうがいいと思う。

なにかと便利だと思うし。


だけどね。

ここには他にも女の子がたくさん居るんだ！

碧のファンらしき女の子たちが私を睨んでいるよ！

怖いって！
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