お前の隣は俺だけのもの。
ソワソワ、ドキドキしながら、放課後を迎えた。

帰りのホームルームが終わったと同時に、怜央が私たちのクラスへやってきた。

潤も碧の席までやってくる。

本当に3人で、あのマンションに行くのか……。


私は……。

公園で時間でもつぶしていようか。

この町の散策でもしていようか。


なんて思っていると。



「岩倉さんも一緒に帰ろ?」



碧が微笑む。



「えっ」



戸惑う私は、きっと周りから見たら不自然だろう。

そんな私を怜央がからかう。



「仲良しだねぇ」



一応、幼なじみなんで。

……とは言えず、苦笑いで返す。



「帰ろ」



碧は、私が鞄を肩にかけたのを確認してから教室を出て行く。

そんな碧を囲むように、怜央と潤が歩いている。


……3人はどういう関係なんだ。


不思議で仕方がない。

そんな彼らの後姿を追いかける私も私だ。


スタスタ歩いていく彼らの後を追えば、あっという間に昇降口に着いた。

歩くの、速すぎじゃないですか。

肩で息をする私なんて、おかまいなしのように彼らは学校を出て行った。

小走りで彼らを追いかけていく。
< 24 / 154 >

この作品をシェア

pagetop