お前の隣は俺だけのもの。
「怜央と潤も、碧の裏の顔を知っているの?」

「……裏の顔、って言うの、やめてくれる?」



碧が私を睨むけど、そんなのおかまいなしだ。

今は、2人に質問をしているのだから。



「まあ、一応? 仲間だし」



怜央の言葉に潤が頷く。


そっか。

仲間ってなんだか、素敵な響き。

この空気で、3人がどういう関係か、なんとなく分かった気がする。

“心を許せる仲間”なんだろうな、って思う。



「早く行こ」



碧が再びスタスタと歩き出す。

それについていく私たち。

おしゃべりをしたり、毒舌言われたりしながら歩いていると、あっという間にマンションに着いた。



「相変わらず、大きなマンションだねぇ」

「……」



怜央の呟きに答えない代わりに、碧はエレベーターのボタンを押した。



「岩倉は、九条の部屋に入ったことはあるのか?」



潤の唐突な質問に、肩をはねさせる私。

部屋に入ったことがあるもなにも。

同居しています、なんて言っていいものなのか。


碧、なんとか言ってよ!

へるぷみーっ!


なんて答えようか悩んでいると、エレベーターは最上階に着いた。
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