お前の隣は俺だけのもの。
私は席を立ってキッチンに向かう。

コーヒーメーカーをセットして、出来上がる間にマグカップを用意する。


キッチンから見えるリビングの様子。

コーヒーが出来るまで、キッチンから3人の様子を眺める。

黙っていると、みんなカッコいいんだけどな。

口を開くと、性格が駄々漏れって感じ。

個性的でいいと思うけど。


そう思っていると、不意に怜央が振り返った。

目が合ったと思ったら、にこっと笑顔を向けられる。



「新婚夫婦、って感じだね」



なにを言うのかと思ったら。

新婚夫婦とか、そんなんじゃないから。

付き合っているわけでもないし。


私は怜央から視線をそらし、コーヒーを淹れる。

トレーにマグカップを4つ、乗せる。

ソファでくつろいでいる彼らの前にマグカップを置く。

最後に私のマグカップを置くと、碧が笑う。



「コーヒーにミルク入れすぎ。陽菜って、ほんと子供みたい」



また毒舌が出た!

なにも言いえ返せない私を碧が笑っている。


ムカつくっ!


無言で碧を睨んでいると、碧は手にしていたマグカップをテーブルに置き、足を組んだ。


あなたは、どこかの貴族ですか!?


そんな雰囲気を漂わせている碧。

碧が貴族なら、私は下僕って感じがする。


自分で言って悲しくなってきた。
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