お前の隣は俺だけのもの。
「みど、」

「陽菜」



私の言葉を遮って、碧が私の名前を呼ぶ。

髪に触れている碧の手が、なんだかくすぐったい。


そして碧は私の耳元まで、そのきれいな顔を寄せて、ささやいた。



「他の男に触れさせないで」

「っ、」



ゆっくり私から離れる碧。

その声も表情も、すごく甘かった。

心臓がドキドキ、鳴り止まない。

多分、私の顔は真っ赤なりんごの状態だろう。


そんな私の反応に納得したのか、碧は口角を上げた。



「顔、真っ赤」



言われなくても分かっている!

そもそも、誰のせいよ!

……なんて、言葉にならなくて。


甘い雰囲気をかもしだす碧と、意地悪な碧に翻弄される私だった。
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