お前の隣は俺だけのもの。
読み始めること、20分。

気づけば物語に引き込まれていた。

完結作品ではなかったから、続きがとても気になる。



「面白かった!」



素直に感想を伝えると、照れたように笑う桃園さん。

桃園さんといると癒されるというか。

そんな雰囲気を桃園さんは持っている。

それに何より、桃園さんの書く小説は面白い。


だから、決めた!



「私、文芸部に入ります!」



一瞬、驚いた顔をした桃園さんだけど、すぐに満面の笑みとなった。



「ありがとう。よろしくお願いします」

「こちらこそ! よろしくです!」



いろんな部活を見学してから決めてもよかったかもしれない。

だけど、私は直感に従う乙女なんだ!

だから、文芸部に入りたいと思ったら文芸部にはいるのだ!



「あ。ちなみに桃園さんって、何年生ですか?」

「2年生です。2年3組」

「あ、同い年だったんだ! 私、2年1組!」



学年が一緒っていうのは親近感が湧く。

って、あれ?

2年3組って、怜央と同じクラスだ。


まあ、それはどうでもいい。



「凛ちゃんって呼んでもいいー?」

「はい!」



こうして私は、文芸部に入部することが決まりました。
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