お前の隣は俺だけのもの。
「はぁ……」



10月が半分終わる。

転校してから1週間くらい経った。

最近は怜央と潤の3人で、お昼ご飯を屋上で食べている。

なぜこのメンバーなのか私には分からないけど。

誘われて断る必要もなかったから、一緒に食べているんだけど……。


本来なら、碧も、この場にいるはずなんだけど。

今日も、碧はいない。

ドラマの撮影に行っていて、学校を休んでいる。



「はあ……っ」

「ため息、うるさい」



潤に指摘され、我に返る。

こんなこと、前にもあったような気がする。



「陽菜ちゃんは、碧がいなくて寂しいんだよねー?」



怜央がからかってくる。

思い切り睨んでやったけど、それは本音を見破られたからだと思う。


怜央は鋭いところがある。

人の感情に敏感というか。

怜央のくせに、って思うけど、そこも怜央のいいところだとは思っている。



「陽菜ちゃんはさぁ」



怜央が菓子パンを頬張りながら話しかけてくる。
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