お前の隣は俺だけのもの。
今日も帰りが遅い碧のことを、ソファで待っている私。

ミルク多めのコーヒーを飲みながらテレビを眺めることが最近の日課になっている。


今日こそ碧と話をしたい、と意気込んでいると。

玄関の扉が開く音がした。

それからリビングに向かってくる足音。



「碧、おかえりー」

「……ん」



あ、今日は少しだけ反応してくれた。

そんなことで喜んでしまう私って、どうしたんだろう。



「碧に聞きたいことがあるんだけど」

「……なに」



私を見る目は相変わらず鋭かったけど、碧は私の座っているソファに近寄ってきてくれた。



「なんで、ドラマ撮影の内容を教えてくれなかったの?」

「……別に」

「恋愛ドラマなんでしょ? 碧が黙っていても、いつか分かっちゃうことじゃん?」



だったら、話してくれてもよかったのに……。

そう言うと、碧はため息をつきながら、私が腰掛けているソファに座った。


碧が隣にいる。

なんだか、久しぶりな感覚でドキドキしてしまう自分がいた。
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