お前の隣は俺だけのもの。
「凛ちゃんー」

「……どうしたの?」



放課後。

文芸部の部室にて、凛ちゃんに愚痴をこぼす私。


凛ちゃんとは、なんでも話せるような関係にまでなってきたのだ!

……なんでも、と言っても、碧との同居については話せないけれど。



「家に帰るの、憂鬱なんだよぉ」

「それは、まぁ……」



凛ちゃんが机に突っ伏している私の頭を撫でてくれる。

優しい。

私の頭を撫でて癒してくれるなんて優しい。

凛ちゃんの執筆活動を妨害しているような気がして、申し訳ない気もするけど。



「そうですねぇ……」



凛ちゃんは根っからのお嬢様だ。

話し方や姿勢、制服の着方……。

黒ぶちのメガネに、髪の毛は三つ編み。

スカート丈も膝下でブラウスの第一ボタンもきっちり閉めている。

全てが優等生って感じ。

きらきら飾りをまとっているお嬢様っていうよりは、“風紀委員長”みたいな感じがする。

飾り気のない凛ちゃんが好きなんだけどね。


そんな凛ちゃんが住むお家は、どんなお家なのかなぁ。
< 47 / 154 >

この作品をシェア

pagetop