お前の隣は俺だけのもの。
「凛ちゃん」



私は凛ちゃんに耳打ちをする。



「……もしかしてさ。潤のこと、好きだったりする?」

「っ!?」



やっぱり。

潤って赤髪ヤンキーくんでイケメンくんだもんね。

凛ちゃんは、そっち系がタイプだったのかぁ。


と、ひとりで納得をしていると。



「ふっ、ふははっ!」



突然怜央が笑い出した。

どうしたのかと、驚く私。

みんなの視線が怜央に集まる。



「陽菜ちゃん、あのね?その質問、全部こっちまで聞こえていたよ?」



声大きすぎ! と、笑う怜央。


じゃあ、私の質問って潤にまで聞こえていたの!?

凛ちゃんの恋愛感情、バラしちゃったようなもんじゃん!



「凛ちゃん! ごめんねっ!」



慌てて私が謝ると、凛ちゃんは不思議そうな顔をした。

その表情の意味は私には分からず。

それも怜央が教えてくれた。



「多分ねー。桃園ちゃんは、潤を見て怖くなったんだよ。潤は見た感じヤンキーだからさ」



え、じゃあ。

凛ちゃんが潤を見て、肩を跳ねさせたのは、『好きな人に会えた!』じゃなくて、『怖い人がいる!』って感じだったの!?


私の大きな勘違いだ。

っていうか、潤ってそんなに怖いように見えるのかな。

私には分からないや。
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