お前の隣は俺だけのもの。
それでも、2人に会えたことは嬉しい。

昨日の態度を見たら。

もしかしたら、避けられてしまうんじゃないか、って思ったから。

そのくらい、怜央のまとっていた空気は普段と違かったから。



「怜央に聞きたいことがあって」

「んー?」



怜央は地面に座って菓子パンを食べ始めた。

潤も菓子パンの袋を開ける。

私はお弁当箱を袋から取り出しながら、怜央に聞きたかったことを話す。



「昨日のことなんだけど」

「うん?」

「なんで、『碧となにかあった?』って、あんなにも真剣な表情で聞いたの?」



怜央が菓子パンを食べる手を止めた。

それにつられてなのか、潤も食べるのをやめた。

怜央は少し考えた素振りをしたあと、潤に視線を送っていた。


アイコンタクト……?


怜央の視線に潤が頷く。

そのやり取りが終わってから、怜央は私に向き直った。



「陽菜ちゃんは、碧の裏の顔を知っているんだよね?」

「うん」



頷く私。

表向きは誰からも愛されるような雰囲気をまとっているのに、私や怜央、潤と一緒にいると、意地悪で腹黒で、悪魔みたいになる。

最初は裏の顔にはびっくりしたけど、今は慣れた。
< 55 / 154 >

この作品をシェア

pagetop