お前の隣は俺だけのもの。
24時間後の屋上。

今日は碧も一緒に屋上にいる。

碧に聞きたいことがあるのに、勇気が出ない。


もし、“暴走族の総長”と本人から聞いたら、私はどう思ってしまうんだろう。

碧のことを“碧”として見ることが出来るだろうか。

正直、暴走族に対して、良いイメージがない。

だけど、碧と向き合うためには話をするしかない。


私は思い切って口を開く。



「碧」

「……ん?」



碧の視線が私に向けられる。

その鋭さに一瞬、聞くことをためらう私。

だけど、聞くって決めたんだから!



「碧が、暴走族の総長って本当なの?」

「えっ……」



碧が心底驚いたような表情をする。

まるで、秘めていた嘘がバレた子供のように。

その碧の表情は、“暴走族の総長”を肯定しているようだった。



「なんで、それを……」



碧が呟いた瞬間、碧の視線の矛先は怜央と潤に向かった。



「話したの?」

「あー。話の流れで?」



怜央が苦笑いをする。

そんな怜央の姿に、大きく舌打ちをする碧。

知られたくなかったことなんだろう。


碧は頭を抱え込んでいる。

再会してから2週間一緒にいたけれど、こんな碧、初めて見た……。
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