お前の隣は俺だけのもの。
「ここじゃ邪魔になるから、廊下で話そう?」



確かに。

教室の入り口で話し込んでしまったら、邪魔になるだろう。

私は素直に頷き、廊下の端に移動した。



「……で、相談って?」



怜央が廊下の壁にもたれながら、私に問う。



「碧のことなんだけど」

「うん」



私は怜央に昨日の出来事を話す。

碧が抱えている悩みを全て話すことは出来ない。

それでも、碧の苦しそうな表情や、なんとかしたいという私の気持ちを伝えた。


怜央は静かに聞いてくれた。

へらへらした怜央でもなく、チャラチャラしている怜央でもなく。

碧の仲間として、私の話を聞いてくれた。



「そっかぁ」

「うん。どうしたらいいと思う?」



怜央は少し考えたあと、私に向き直った。



「陽菜ちゃんはどうしたいの?」

「……私?」

「うん」



不意打ちの質問だった。

そんなの考えたこともなかったけれど……。

怜央の言葉について考える私。
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