お前の隣は俺だけのもの。
「陽菜ちゃんは、碧と向き合いたいんでしょ?」

「うん」

「怖くてもさ、陽菜ちゃんが勇気出して行動しないと、碧は変わらないよ」



怜央が私の頭をわしゃわしゃと撫でる。

怜央を見上げれば、やさしい笑顔を浮かべていて。

こんな表情もできるのか、と驚いた。



「頑張ってみな?」

「……うん。頑張ってみる」

「それが陽菜ちゃんらしいよ」



……私らしい、か。


そうだよね。

碧に振り回されている私は私じゃないよね!

碧を振り回す勢いでいないと楽しくないもんね!


怜央の言葉で元気が出た私。

こうなったら、とことん碧を振り回してやる!



「うーん。陽菜ちゃん、少しズレている気がするけど……」

「え? なにが?」



首をかしげる私。

首を横に振りながら呆れた様子の怜央。

なんで呆れているのかさっぱり分からん。

まあ、気にしないでおこう。


それより。

もうひとつ怜央に聞いて欲しいことがあるんだ。



「怜央。あのね」

「んー?」

「碧のことを知るためには、碧が仕事している姿を見たいんだ」



湧き上がってきた私の思い。

テレビ越しじゃなくて、この目で、碧がやりたいことをやっている姿を見たいんだ。
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