お前の隣は俺だけのもの。
「陽菜だけには見られたくなかった」



碧の言葉を、碧の腕の中で聞く。



「演技だとしても、他の女とキスしているところは見られたくない」

「……」

「だから、恋愛ドラマの撮影って言いたくなかった。キスシーンとかは絶対に入ってくるから」



ぎゅっと、私を抱きしめる力が強くなる。

その腕は震えているようにも感じた。



「……陽菜が好きだから」

「え……」

「好きな子に、仕事だとしても他の子とキスしているところなんて見られたくない」



碧はそう言って、少し腕を緩めた。

顔を上げると、碧と目が合う。



「俺の“大切で守りたい奴”は、陽菜だよ」
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