幼馴染には敵いません
聖愛side
私が祐也くんを好きになったきっかけは
ほんとに単純だった。
入学式の初日、私は首席の為
新入生代表の挨拶をしなければならず
一生懸命書いた文を読みながら登校していた。
その日は暖かく風も穏やかな日で入学式日和だった。
でも、一瞬だけ突風が吹き
私の手元から1枚の紙が飛ばされた。
拾うために追いかけたが木の上に引っかかってしまい
私の身長では届かない位置にあった。
悩んでいると、一人の男の子が軽々と木に登り
紙を取ってくれた。
そう、これが、私と祐也くんの出会い。