先生がいてくれるなら③【完】
「それと……。高峰のやった事は、全て俺の責任だ。ごめん」
先生はそう言って頭を下げた。
「違います、私が悪いんです……。私が、自分のことしか考えてなかったから……」
そう、私は、自分のことばっかりだったから……。
勝手に好きになって、自分勝手な都合で告白して、先生に好きだと言って貰えたことに浮かれすぎてた。
その結果が、これだ。
「私、先生に告白したこと、後悔してます」
私がそう呟くと、先生の表情が強ばるのが分かる。
「私、自分のことしか考えてなかった。私が先生のことを厄介ごとに巻き込んだんです。だから、私の方こそ、すごく後悔してる……」
こんな事になるのなら、つらくても、苦しくても、自分の心の中に仕舞い込んでいた方が良かったんだ。
片思いで終わってしまえば良かったんだ。
そうすれば、先生にひどい言葉を言わなくて済んだし、傷付ける事もなかった。
私が唇を噛んで俯くと、先生は「違う、お前は何も悪くない」と言って、首を振る。
「それに──」
少し距離を置いて隣りに座っていた先生が、私の方へ少しだけ詰め寄った。
「それに、あの時お前が言わなくても、いずれ俺が言ってたよ……立花が好きだ、って。だから、絶対にお前のせいなんかじゃない」